手間暇かけて育てたさつまいもが、病気になってしまい収穫できなかった…なんてことになってしまっては、がっかりしてしまいますよね。さつまいもを健康に栽培するためには、病気の予防やできるだけ早く異変に気付いて対策することが重要です。この記事では、さつまいもがかかりやすい病気と症状をご紹介します。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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さつまいもが病気になったときに表れる症状は？

さつまいもが病気にかかってしまったときには、さまざまな症状が目に見えて現れます。ここでは、さつまいもが病気になったときに表れる症状を紹介します。早期発見のためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。

さつまいも（塊根）に病斑や変色が見られる

さつまいもの芋の部分に病斑が見られる場合には、病気にかかってしまっている可能性があります。元は緑色がかった黒褐色の病斑が表面に現れて、病気が進行するとくぼんだ黒色の病斑と変化します。毛のようなふわふわとしたカビを伴っていることも特徴的です。人や家畜にとって強い毒性のある、抗菌性物質を発生しているケースもあるので、見つけたときにはくれぐれも注意してください。

葉に穴が開く

葉の穴には、多くの人が悩まされています。葉に穴が開くのは、害虫がいるということです。そのまま放置していると、葉っぱを全て食いつくされてしまう可能性もあるので、対策の必要があります。ほとんどは虫が原因である場合が多いですが、野ネズミが葉っぱやさつまいもをかじってしまっているケースもあります。原因をしっかり突き止めて対策しましょう。

葉が黒ずむ

葉が黒みを帯びた茶色のような、褐色に変化した場合には、病気を疑った方がいいでしょう。品種や気候の違いによってもさまざまですが、病気だけでなく低温障害を起こしている場合にも、葉の変色は起こります。低温障害だった場合は、極端な低温でなければ新しい緑の葉が出てくるので、そのままにしていても問題ありませんが、病気であれば早めの対策が必要です。

葉が枯れる

葉が枯れるときには、立ち枯れ病やつる割れ病などの病気や、水分不足、水分過多などさまざまな原因が考えられます。病気が進行してしまうと、急激に成長が衰えてしまい、あっという間に芋がダメになってしまう可能性があります。早い段階で病気を判断し対策をとりましょう。

株が萎れる

株が萎れてしまったときには、土壌病害を疑いましょう。土壌病害とは、土壌中に生息している病原が、植え付けた作物の根や茎に侵入し、根腐れや立ち枯れなどの被害をもたらす病気の総称のことです。土壌病害に有効な薬剤は少なく、予防も対策も困難であるため、さつまいもを育成するうえでは特に注意したい病害です。

葉の表面が白くなる

葉に白いカビが生えてきたときは、うどんこ病にかかってしまったと考えられます。カビをそのまま放置してしまうと、瞬く間にカビが繁殖し、すべてのはが真っ白になってしまいます。葉の異常を早期発見して、できるだけ被害の小さい段階で対策をとることが大切です。

さつまいもを栽培する際に、気を付けたい病気は？

 

ここでは、さつまいもがかかりやすい代表的な病気を3つ紹介します。さつまいもを栽培するときには頭に入れておきたい知識なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

立ち枯れ病

立ち枯れ病は、カビの一種が原因となる病気で、野菜や草花、観葉植物まで、あらゆる植物に発生します。植え付けた茎の根元が腐敗して細くなってしまい、苗が倒れて枯れてしまうというのが主な症状です。初期症状としては、下の葉が黄化して萎れていってしまうので、早めに見つけましょう。4月から10月頃の、湿度が高い時期に発生しやすい傾向があるので、十分注意してください。

つる割れ病

つる割れ病は芋のツルが病原菌に侵されてしまい、感染してしまった部分が徐々に割れていく病気です。下葉がしおれてしまい、日が沈んでからは元に戻ることを繰り返しているうちに、全体がしおれて苗が台無しになってしまいます。放置しているとカビが発生してしまうので、被害を受けた株はすぐに処分しましょう。

うどんこ病

うどんこ病はその名の通り、白いカビが葉っぱの表面に生えてしまう病気です。カビが生えて白くなってしまった部分は上手に光合成が行えず、そのまま弱ってしまいます。また放置していると葉や茎が奇形になり、全体が枯れてしまうケースもあるので、注意が必要です。5～6月、9～11月に発生しやすく、さつまいもだけではなくさまざまな植物へ被害を与えます。

 

うどんこ病は、早めの発見であれば薬剤を使用して被害を抑えられますが、すでに蔓延してしまった状態だと、葉っぱを切り取って処分する必要が出てくるため、早期発見が大切なポイントです。

さつまいもが上手く育たない原因と対策は？

さつまいもは土壌から病気にかかることも多く、あっという間に被害が拡大してしまうという特徴があります。症状を見分けて原因を突き止めたら、被害が蔓延して手遅れになる前に、適切に対処しなければなりません。共通する対処法としては、万が一病気になってしまった場合、症状の現れている葉や根を早めに切り取って、速やかに処分することです。

 

ここからはさつまいもに起こりやすいトラブルと対策を、大きく3つに分けて紹介します。

環境が合っていない

日当たりや水はけが悪かったりなど、環境条件が不十分だと、芋が上手く育たないことがあります。収穫するさつまいもの数や食感、甘さにも大きく影響してくるので、水はけと通気性が良い土壌を使い、日当たりのいい場所で育てましょう。また植えつけてから1週間ほどは毎日の水やりが必要ですが、さつまいもは本来乾燥した環境を好む作物です。畑で栽培する場合には、自然に降る雨で生育のために十分な水を得ることができます。プランターの場合は、土の表面が乾いていたらときどき水やりする程度で良いでしょう。

糸状菌による土壌の病害

先ほど解説したつる割れ病や立ち枯れ病の主な原因となるのが、糸状菌というカビの一種によってもたらされる土壌病害です。糸状菌が土壌に入り込んで拡大してしまい、さつまいもの根の部分から侵入してしまいます。糸状菌が繁殖する原因は、土壌の殺菌消毒が不十分であることや、感染した種芋や苗を通じて広がってしまうことが挙げられます。感染対策の基本原則である、「持ち込まない」「持ち出さない」「広げない」を念頭において栽培するようにしてください。

 

また同じ土に同じ作物を毎年植えてしまうことを連作と言い、土壌の成分バランスが壊れたり、カビや病害虫の密度が高くなってしまう原因になります。病原菌の蔓延防止のため、連作は避けましょう。

害虫による病害

さつまいもは害虫による病害により、成長が阻害されてしまうことが度々あります。原因となっている代表的な害虫は、アブラムシやコガネムシ、ハリガネムシやさつまいもネコブセンチュウなどです。幼虫は土の中で根を食害し、枯れさせてしまうことがあります。また成虫になったものが地中にある茎や歯を食べ上げてしまうのです。

 

植え付け前に行える害虫対策としては、使用する苗の消毒を十分に行うことです。健康な苗を確保して、病原を持っている種芋を使用しないように気をつけましょう。万が一害虫やその痕跡を見つけたら、できるだけ早く殺虫剤や薬剤散布を行うことが大切です。発病してしまった葉や根を早めに取り除き、焼却しましょう。

 

さつまいもが虫や野ネズミに食べられてしまっていたとしても、私たちが食べることが可能な場合もあります。かじられてしまった部分を大きめに切り取り、しっかりと洗浄してから、調理してください。さつまいもかじられた際に菌が入ってしまい、芋がダメになっているケースもあるので、広い範囲が傷んでしまっている場合には諦めましょう。

まとめ

いかがでしたか。さつまいもがかかりやすい病気や、その症状を紹介しました。毎日観察している中で少しでも異変を感じたときは、早めに原因を突き止めて、状況に適した対策を行ってくださいね。